夕方、夫と連れ立って家の近くを散歩していたら山椒の木があった。野良の山椒だ。まだ若い葉を、被っていた帽子にいっぱいになるまで摘みいれたら手のひらが山椒の香りになった。手が山椒になったよ、と夫の鼻先に差し出すと、こっちの手も、と今度は私の鼻…
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