日記

ネムの花

いつもの散歩道にネムの花が落ちていました。まだ色も形もしゃんとしていて、そのまま捨て置くのは惜しい愛らしさです。白い鳥の綿毛を先端だけさっと紅色に浸したような見事な自然の彩色。時折出会う自然の美しさにこうも心惹かれるのは、年のせいでしょう…

雑記

奈良の山奥で暮らし始めて早1年と少し。 今のところ毎日たいへん愉快に暮らしています。instagramはじめてから、すっかりブログが遠のいてしまったよねー

雑記

・先日、90歳になる祖父がついに私のことを忘れてしまった。・一方、最近82歳の妹と会ったという85歳の祖母は、「あの子、近頃は子供時分の話しかしぃひん」とこぼし、その後「でもあの子が子供の頃はね…」とやっぱり自分たちが子供だった頃のことを延々と話…

そら豆のサラダ

うつわ:井山三希子 粉引面取りボウル、富井貴志 カッティングボード(楢) 茹でたそら豆は、うちの犬の足と同じにおいがする。スナック菓子みたいな香ばしいにおい。それに気がついたのは3年くらい前の話で、元々好きだったそら豆をそれからもっと好きになっ…

巡る季節と春のごはん

菜の花と厚揚げの炊いたの、新玉ねぎのサラダ、新玉ねぎ入りつくねの照り焼き/うつわ:上から時計回りに 岸野寛 灰釉菊形皿6寸 横山秀樹 モールコップ 岡崎勉 灰釉片口鉢 古谷宣幸 種子島向付 - 仕事帰り、落ちきらない陽がうす赤く山際を染めているのを見…

雑記

・以前、このブログで30歳の別れには30歳の別れの悲しさがあると書いたのだけど、言霊なのかなんなのか実際に30歳のいま、ひとつ大きな別れをした。どれだけつらいのかと想像していたけれど、確かにとてもつらくはあったけれど、それ以上に何か大きく重いも…

富山に行ってきました/作る手

先日、仕事で富山に行ってきました。京都から約5時間、富山西ICで高速を降りしばらく走ると白くそびえる立山連峰が眼前にあらわれて、その厳しく、圧倒的な姿に思わず声を上げてしまいました。京都の低くて穏やかな形の山とは全然違う、ソリッドな美しさ。あ…

これは土楽の口付黒鍋で七草がゆ作ったときの写真。おかゆおいしかった… だいぶ前の話になるけれど、テレビで関東で大雪が降ったというニュースを見ながら、京都にも降ればいいのにと思っていました。その日、京都の気温は今冬最低を記録したのに、薄灰色の…

私を作る味

たまに猛烈にソース味のものを欲するときがあるのですが、夜は炭水化物をとらないようにしているので写真のようにお弁当にお好み焼きを持っていくことになります。街の数だけお好み焼きがあると何年か前のMeetsには書いてあったけれど、ほとんど外食をしない…

雑記

・うつわの梱包のため古新聞を丸めていたら、ハプスブルグ家について書かれた記事に目が止まった。ハプスブルグ家の伝統的な埋葬方法は特殊で遺体を心臓、心臓以外の内蔵、それ以外の部分に分けて埋葬するのだとか。心臓は銀製の壺に入れられ、オーストリア…

ものの言いかた

犬は餌をチラつかせとけばいいので簡単です(おやつをガン見する犬) 壊れやすいものを扱うお店に勤めているのだけど、「小さい子どもを連れたお母さん」がけっこうきます。子どもはもちろんうつわにはなんの興味もないから、入って1分も経たないうちに飽き…

手袋は探さない

一昨日の夜、手袋を落としました。え?まだ手袋つけてたの?と思われるかもしれませんが、つけていました。自転車通勤なので夜帰るときに気温が低くなって、手が冷たくなるのが嫌だからです。だけど一昨日の夜、さすがにこいでるうちに暑くなって、途中で脱…

富井貴志さんの敷板/祖母の話

最近ごはんの話を書かなくなったのは、いま祖父母と住んでいるからで*1、夜ごはんは毎日祖母が作ってくれています。 夕飯を作るのが祖母である以上、うつわも祖父母が使い慣れたものがメインとなり、私のものはほとんど食卓にはあがりません。いままでの生活…

京都市動物園のペンギン。「わたしは寒いままでいいです」3月のはじまりって、いよいよ春だねってちょっと気分がふわっとする時季だったのに、それだけじゃなくなってしまったんだなぁと、インターネットにあふれる「もうすぐ1年か」の言葉たちを見て思った…

いのちの星

お母さんの手もだいぶ年取った感ある 帰り道、西に向かって自転車を漕いでいくと明るい星が視界に入ります。宵の明星。冬の夜空で最も強く輝く金星。高橋源一郎の5歳になる息子は、輝く星を見て「いのちの星が燃えているね」と言ったのだとか。アンパンマン…

それはきっと魔法みたいにおいしい

奈良の「焼き菓子専門店 アルカイック」のカップケーキとチャイ。北欧系のお皿は敬遠しがちなんだけど、ARABIA「Koralli」のカップ&ソーサーはかわいいと思う 奈良のbolik coffeeでおいしいクスミティーのチャイを飲んでいたら、11月にスガマチ食堂で買って…

彼女が泣いた夜

少し前、泣きながら夜道を歩く女の人とすれ違いました。年齢はたぶん私と同じか、少し上。小柄で、きちんとした格好をした、きれいな人でした。人目を気にすることもなく、ただただ悲しそうに涙を流して歩く彼女のことをとてもかわいい人だと思ったし、こん…

転職とお弁当生活

最近とても忙しくて、インターネットをする時間がなかなか取れません。ちなみに忙しい理由は私が転職したからです。取材をしたり文章を書いたり校正をしたりする仕事から、うつわを売る仕事に変わりました。お給料は下がりますし、お休みは減りますが、好き…

おくりもの

先日、名古屋から京都にやってきた友人がおいしい栗蒸しようかんをお土産に持ってきてくれました。名古屋にある川口屋という和菓子屋さんのもの。彼女はお土産を選ぶセンスが抜群で、いつも季節感のあるおいしいものを持ってきてくれます。 誰かに物を贈るの…

雑記

・お酒を飲みに行った帰り、タクシーに乗る直前に仰いだ月のまぶしさに驚く。秋の月はこんなにも冴え冴えと照るのか、とはっとする。海や月は人の心を映すものだと思う。今日見た月は凛としていてよかった。・先週末、本の整理をしていたらこんな言葉に目が…

月を見る

一昨日は中秋の名月で、もちろん見た。きれいな月だった。ポケットからiPhoneを取り出して、夜空にかざしたけれど画面の中の月は笑っちゃうくらい小さくて、すぐにまたしまった。あるブログで「月はうまく撮れない」というお話を読んだばかりだった。でも、…

深まる秋/生ハムといちじくのサラダ

先日犬の散歩に出たとき、空を見たら星がとてもきれいだった。気温も低く、半袖では肌寒いくらいの夜。本当に秋がきたんだな。何もしていないのに季節ばかりが進んでしまって、焦る。夏の間に星をほとんど見なかったのは季節のせいもあるけど、飼い犬の足の…

ラジオの時間/明治期のロックグラス

最近、ラジオをよく聞いています。もう少し正確にいうと、RSSラジオでいくつかの番組を購読していてポットキャストを好きなときに聞いています。*1通勤中と夜寝る前、あとは台所に立つときなんかにiPhoneからイヤホンで聞いているのですが、話の内容はもちろ…

郡上おどり

「秋はさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」 先日、秋の気配が混じった風がさっと頬を撫でたときに、藤原敏行の句を思い出した。 ということで、夏と秋のひとつの境界であるお盆に、郡上八幡に行ってきた。目当てはただひとつ「郡上おどり」。 郡上お…

夏の夕焼け/ゴマだれそうめんと茄子の豚肉巻きフライ

夕焼けがきれいに見える場所を教えてほしいと言われて、ちょっと困った。わたしは、夕焼けをきれいに見ようと思ってどこかに出かけたことがないからだ。そういうタイプの感動は偶然訪れるほうが素敵だと思うからで、大学生の頃、男の子に夜景が見えるポイン…

音楽に愛されない/麩嘉のかき氷

友達と、夏らしいことをしたいねって話をしていて、フェスとか行く?なんかアレ夏っぽいんでしょ?って話になったのだけど、私はもう本当に悲しいくらいに音楽を聞く才能がないので、フェスとか行ってもきっとずーっとiPhone見てると思うわ、無理だわと言っ…

飼い主にできること

犬が足をひょこひょこさせながら近づいてくるのを見て泣きそうになる。久しぶりに撮ったレントゲンには、しっかりと股関節の炎症が映っていた。原因はなんでしょうか、と聞いたら、心当たりがないのなら、何かひとつの原因というわけではなくいろんな要因が…

木漏れ日

降り注いで、木々にさえぎられて、それでもキラキラさらさらあふれ漏れる光。透けて、重なって、光って、時折風に揺れたりなんかして。結局どんなアートも自然がみせるこういう景色にはかなわないよなぁと思ってしまう。雨が上がったら、苔のお庭とか見に行…

桜 2011

先週の土曜日、変な時間に寝てしまって目が覚めたら夜の8時でした。春のうららかな一日を寝て過ごしてしまったのがくやしくて、夜明けを待って家の近くの桜の名所へ。まだ薄暗いうちから歩き始めたのですが、徐々に光が満ちていくのがほんとうにきれいで、な…

春の雪

河川敷に咲いた雪柳。その名の通り、雪のような花をいっぱいにつけて風に揺られていました。冬に桜を、春に雪を思う。そんな感じの季節の楽しみかたもありだよなぁーと思ったり。