ギャルリももぐさ/百草


先日、多治見市にある「百草」に行ってきました。陶芸作家の安藤雅信さんとその妻である明子さんが1998年に開廊された美術・工芸のギャラリーで、100年以上の歴史がある民家を改装したという建物内には、カフェも併設されていました。

ギャラリーというと、真っ白な箱のような空間に手を触れてはいけないもののような風情で作品が飾ってあるイメージなのですが、古民家という空間の力でしょうか、並んでいる作品たちは「手にとってもっと見て。私きっと、あなたの生活の中でいい仕事しますよ」と言っているようで、次々に手にとっては陶肌の感触を確かめたり、手のひらで包んで収まりを確かめたり、ひっくり返して高台を見たりしていました。

うつわを選んでいるとき、私はいつもすごくしあわせです。声をあげたくなるような喜びとはまた違う、静かな喜びがひたひた満ちてくるような感じ。私はけっこうそういうのが好きです。
そして、その喜びが長く続くのがうつわのいいところで、こんなにコストパフォーマンスのいい喜びの装置ってなかなかないのでは?と常々思います。選んで楽しい、買うのも楽しい(購入したうつわを抱えて電車に乗ってるときのほくほく感ったらありません)、使うのも楽しい、使い続けてうつわがどんどん馴染んでいくのも楽しい。さらに、不注意で割ってしまっても金継ぎで直せるのがまた楽しいときています。

もし、直せなくて捨ててしまうしかなくても、そのあとであのうつわ素敵だったなぁと、昔の恋人を偲ぶような楽しみが訪れるんじゃないかと思います。(まだ自分の買ったうつわを割ったことはないので想像ですが) 

人に言うとあまりいい反応が返ってこないんですが、こんなにいいものなんだから、みんなもっとうつわに興味を持ったらいいのになー。



本当にここでいいのかな?と迷ったすえに見つけた「百草」の看板



玄関入ってすぐのスペースの一角には醤油や味噌などの調味料が置いてありました



玄関左手の空間には木工作品がずらり。台のシルバーとの対照で木の温かみが引き立っているように思いました



ギャラリースペースの縁側に沿って並べられていたガラスの作品。自然光の下できれいでした



ちょっと引いて撮ってみたり



一番広い部屋にはアート感のある大型の作品が。さすがにこれは怖くて触れなかったです



2階では安藤さんの作品がこれでもかー!と大迫力で迎えてくれます。眼福…!



2階のスペース。若手の作家さんの作品がちょこちょこと



玄関右手にはカフェスペースがありました。椅子が小学校のときに使ってたものと同じでテンションアップ



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チーズケーキとラフランスのジュース。奥はコーヒー。陶器のうつわは全部安藤さんの作品です



灯油のストーブ。実際に身近に使ったことはないくせに、なぜか懐かしいなーと思ってしまうのはなんでですかねー