うつわのなかに見る景色

最近購入した、新見麻紗子さんのお皿。まだ若い方だからなのか5枚5000円という破格の値段で出ていて、迷うことなく自分のものにしました。11〜12cmほどの小皿。手にとった瞬間ぱっと思い浮かんだのは、雪解けの景色でした。

溶けかかった雪の下から、地面の色が透けて見えるような、白一色だった遠くの山に山肌の色がかえりつつあるような、そんな景色。釉薬のかすれや溜まりが、すっかり地面が露出しているところもあれば、まだまだしっかりと雪が積もっているところもある春の景色をうつしているようで、しばらくうっとりと見つめていたのでした。

何を盛ろうかな。出始めた山菜で白和えでもつくろうか、薄衣の山菜の天ぷらを少しだけ盛るのもいい。雪のなかでじーっと甘みをたくわえるネギのぬたもいいなぁ。

あと、これは今思っただけだけど、初雪の頃にもこのお皿映えそうだし、夏に涼を求めて使うのもよさそう。あー、素敵なうつわをもっとうまく素敵に使いたい。もっともっとうつわと仲良くなりたい。呼べばうつわがこたえてくれるような、うつわに呼ばれて手が伸びるような、そんな風につき合いたい。もっともっと、軽やかに料理がしたいなぁ。



東本願寺飛地境内の「渉成園」。大雪のなか年末に両親と行ったのでした。色合いが新見さんのお皿っぽい!