月を見る

一昨日は中秋の名月で、もちろん見た。
きれいな月だった。

ポケットからiPhoneを取り出して、夜空にかざしたけれど画面の中の月は笑っちゃうくらい小さくて、すぐにまたしまった。あるブログで「月はうまく撮れない」というお話を読んだばかりだった。

でも、もし私が新しいレンズを買って月を見たまま(に近い形で)撮れる技術を身につけたとしても、私はきっと撮らないだろうと思った。月の美しさは情緒的なものだから写真に残してもあまり意味がないと思うからだ。私が今日見た月の美しさは、その日その時の私だけのものだ。

皆がバラバラに感動し、それを伝えられぬまま死ぬのだ。

http://kssk.tumblr.com/post/7798488

先日Tumblrダッシュボードに流れてきた言葉。SNSがどれだけ発達しても、一瞬一瞬の感動を正確にシェアすることはできない。感動はいつだって自分だけのもので、だから私は月を見るといつも「ひとりだなぁ」という気分になるし、きっと人生が進むにつれて私が見る月はどんどんきれいになっていくんだろうと思う。